USER’S WORKS

USER’S WORKSのコーナーでは、FREEFORMユーザー様のプロジェクト事例をご紹介させていただきます。
FREEFORMというツールの活用方法は、業種や品種により様々です。  皆様のご参考になれば幸いです。

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株式会社ミリメーター様

靴作りを再発明。靴職人の手仕事と3Dデジタル技術で、あなたの足にぴったりの靴を気軽にオーダーメイドする時代へ。

事業・サービスの特徴

株式会社ミリメーター様は、靴職人による靴づくりのプロセスに最先端のテクノロジーを掛け合わせることにより、より手軽に1人1人の足に合ったパンプスをフルオーダーメイドできるサービスを提供しています。足の形状計測を3Dスキャニングとモデリングツール『Freeform』のデジタル造形、木型の製作には3Dプリンターを用いて足の特徴を反映させ、個人に合わせたフィット感とオーダーメイドのデザインによる靴作りをされています。

オーダーメイドの靴作りの課題

これまでのオーダーメイドの靴作りでは、靴職人のいる工房にお客様が出向いて足を計測し、手作業で木型を製作していました。蝋や皮という木型素材の特性で塑像の自由度が低い上に、手間が多く思い通りの木型の達成は難しいものでした。また、三次元形状の再現は職人の記憶により、すべての工程が職人の手作業に依存するため、完成までに2カ月近い時間がかかることもありました。かさばる木型の管理も大きな課題で、盛った蝋を全て削り取って、次の方に使うため、形の記録が残りません。リピートが来た時にはもう一度作らなくてはなりませんでした。

3Dテクノロジー技術での解決

今回のサービスでは、職人による足の計測と木型の製作の過程をデジタル化することで大幅なスピードアップを実現しています。また、データ化することで何度も再現でき、足に合った靴をいつでも注文できるというメリットや、靴作りに必要な足の情報を書き込み、カルテのように活用することもできます。プロダクトのコアの部分に技術を落とし込んだビジネスにならないと普及が進まないのでは、と3Dテクノロジーでオーダーメイドの靴作りの課題解決ができるよう、サービスを開発しています。

3Dツール導入の背景

「身体測定データを扱うにあたり、CADではずっと限界を感じていた中で有機的なモデリングが可能な『Freeform』と出会いました。実際に使用するまでどの程度適しているかは未知数でしたが、3Dスキャナー『EinScan-Pro』と『Freeform』それぞれ魅力的なツールだと思っており、一貫したシステムとして提案してもらえたので、ケイズデザインラボさんから導入しました。課題としては『Freeform』は個人のセンスも技術も必要になるため、自在に扱うためには技術者の人材適性と修練は必要になりますね」


靴づくりのためのデータ計測について

「一口にスキャンと言っても、靴作りに必要なデータを計測できないといけません。靴の知識を学び、データの条件を選定するところから地道に進めていきました。シューズアドバイザーの酒井さんは、私が工房に2年ほど通って靴作りを勉強していた頃からの師匠です。学校では授業以外の作業が難しく、師匠の工房を借りての実験など、ずっと相談にも乗ってもらっていました。新しい技術にもポジティブに向き合ってくれる職人の存在はありがたいです。こうして重ねてきた知見と苦労もありますが、これからも開発・研究には終わりがないと思っています」


今後の展開について

「もともと来店しないと計測できないことを解決しようというのがスタート。今を通過点として、お客様自身でのデータ計測や経験とノウハウがたまれば、相関データ(ビッグデータ)活用も考えています。サンダルや男性用など型の違うものにも展開したいですね。また、靴職人を目指す学生に設備を提供したり、自分の靴を自分でつくりたい方向けの教室の開催など、靴づくりの将来を担う若い職人の育成と雇用の拡大にも力を入れていきたいと思っています」

株式会社ミリメーター

代表取締役社長:粕谷孝史氏(左) 技術顧問(シューズアドバイザー):酒井満夫氏(右)

http://www.millimeter.jp/

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